水車小屋の跡に、蔵を建てる
初代・舟入幸助が、廃業した水車小屋の石垣を残したまま蔵を起こしました。近隣の農家から大豆を預かり、味噌に仕込んで返す「預け味噌」から始まった商いです。当時の帳面には、桶ひとつぶんの仕込み量と、預かった家の名が細かく記されています。
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Chronicle 1879 — 2026
水車小屋の跡地に建てた小さな蔵から、いまの二番蔵まで。残っている帳面と、聞き伝えの話をもとにまとめました。
初代・舟入幸助が、廃業した水車小屋の石垣を残したまま蔵を起こしました。近隣の農家から大豆を預かり、味噌に仕込んで返す「預け味噌」から始まった商いです。当時の帳面には、桶ひとつぶんの仕込み量と、預かった家の名が細かく記されています。
二代目・幸一が、大桶職人に六尺の木桶を注文。あわせて裏山の湧き水を竹樋で蔵まで引きました。仕込み水を替えたところ、麹のまわりが安定したと帳面の余白に書き残されています。この水路は経路を変えながら、いまも使っています。
県の試験場の指導で蔵の空気を調べたところ、桶や梁に住み着いた酵母・乳酸菌の存在が確かめられました。以来、蔵の中は強い薬剤で洗わず、湯と束子(たわし)で手入れするのが決まりに。柱を撫でて「今年もよろしく」と言うのは、三代目からの癖です。
戦後、原料の入手が難しく、三代目・幸太郎は近隣の集落を回って大豆を分けてもらいました。麦や稗を足して仕込んだ年もあり、その記録が「代用帳」として残っています。いま作っている麦味噌「野火」は、この頃の配合を手がかりに組み直したものです。
効率を上げるため温醸に切り替えていた時期がありましたが、四代目・幸子の代で全量を常温の天然醸造に戻しました。仕込みから出荷まで最短でも二夏。売り上げは一度落ちましたが、量り売りのお客様が戻ってきてくれたことが支えになりました。
五代目・幸市が蔵見学を始めました。桶の縁から中をのぞいてもらい、二年目と三年目の味噌を舐めくらべる四十分の案内です。初年度の参加は八十名ほどでしたが、いまは学校の校外学習や、料理人の方の見学も受けています。
たがが緩んだ六尺桶を三本、桶職人と一緒に修復しました。竹を割り、編み、締め直す作業に蔵の若手も入り、記録映像を残しています。新しく桶を作れる職人が減っているため、直して使い続けることを前提に道具を揃え直しました。
六代目・舟入佳奈が蔵を継ぎました。やることは変わらず、大豆を蒸して、麹をつくって、桶に詰めて待つだけです。少しだけ新しいこととして、桶ごとの温度と仕込み日を記録して公開し、蔵出しの時期をお知らせしています。
Three Works
設備を新しくした部分もありますが、味に関わるところは初代からのやり方をそのままにしています。
浅い木箱に少量ずつ広げる「蓋麹(ふたこうじ)法」。手間はかかりますが、温度のむらが出にくく、夜通し二時間おきに手入れができます。仕込みの季節は、蔵の二階に灯りがつきっぱなしになります。
温度を上げて熟成を早める方法は取っていません。冬は凍える蔵、夏は蒸れる蔵。その振れ幅を桶がゆっくり吸って、二夏、三夏かけて色と香りが決まっていきます。急がせないぶん、後口が穏やかになります。
同じ日に仕込んでも、桶が違えば仕上がりも違います。蔵出し前に一本ずつ味をみて、まだ寝かせたほうがよい桶は次の夏まで置きます。そのため、在庫を切らしてお待たせすることがあります。
Calendar of the Kura
蔵の仕事は季節に沿って回ります。見学に来られる時期によって、見ていただける作業が変わります。
Products
すべて蔵の量り売り、または袋詰めでお渡ししています。価格は税込です。
二夏越えた、いちばん普段づかいしやすい味噌。だしを控えめにしても味がまとまります。汁物、和え物に。
三夏置いて色が深くなったもの。甘みより香ばしさが立つので、肉や根菜、田楽に合わせる方が多い味噌です。
戦後の「代用帳」を手がかりに組み直した配合。軽い口あたりで、夏の冷や汁やきゅうりに添えて。
桶の数がすくないため、秋から冬にかけての限られた時期のみのお渡しになります。煮込みに少量。
ご家庭で仕込まれる方へ。一月から三月のみ、前日までのご予約でお取り置きします。塩と大豆もあわせて手配できます。
蔵で漬けたものを少しずつ。手土産にされる方が多い品です。
※ 量り売りは 100g 単位で承ります。容器をお持ちいただくと 20 円引きです。※ 天然醸造のため、仕込んだ年や桶によって色と香りに差が出ます。※ 在庫状況により、お渡しをお待ちいただく場合があります。
Kura Tour
いずれも事前のご予約が必要です。蔵は足元が濡れていることがあるため、歩きやすい靴でお越しください。
無料/ お一人
1,500円 / お一人
6,800円 / お一人
※ 記載の料金はすべて税込です。※ 小学生以下のお子様は保護者の方とご一緒にお願いします。※ 麹室は衛生管理のため、体調のすぐれない方のご入室をお断りすることがあります。※ 団体(10名以上)は別途ご相談ください。
Questions
Contact
蔵見学のご予約、量り売り・発送のご相談は、お電話かこちらのフォームからどうぞ。仕込みの時期は蔵に出ていることが多く、折り返しになる場合があります。
| 所在地 | 〒399-0000 長野県安曇野市白鷺町一丁目0-0(架空の住所です) |
|---|---|
| 蔵の売店 | 9:00 — 17:00 |
| 定休日 | 毎週水曜/年末年始 |
| 駐車場 | 普通車 8 台・大型バス 1 台(要事前連絡) |
| 最寄り | 白鷺口駅から徒歩 12 分(架空の駅名です) |
県道沿い、白鷺川の一本南です。看板が小さいため、通り過ぎた場合はお電話ください。